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フクロウのペリット分析

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フクロウのペリット分析 ~エゾフクロウ~ こんにちは、部長です。 ここ数週間、空コマを使って北海道に生息するエゾフクロウのペリットを分解していました。ペリットとはフクロウなどが食べた餌のうち消化されずに口から吐き出されたものです。ペリットの分解作業、出てきた齧歯類(ネズミ)の同定作業が終わりましたので(というより諦めた)ここに報告します。 最初に、ペリットをほぐし、骨を取り出しました。(菌やウイルスが含まれている可能性があるので殺菌・消毒をしてから行います。) 骨をきれいに取り出した後、少し乾かしてから、頭骨と下顎は同定作業、体の骨は組立作業に移します。 まず骨の組立です。部員に図鑑やネットの画像を見ながら組み立ててもらいました。数種類複数個体の骨が含まれていたので正確でないとは思いますが、ネズミの骨格らしくなったのではないでしょうか。 次は同定作業です。齧歯類は臼歯の形状でおおよその種類がわかるのですが、今回出てきた頭骨はネズミ亜科(ドブネズミやアカネズミの仲間)2つとハタネズミ亜科5つでした。下顎もかなりの数が出てきました。 先にハタネズミ亜科の同定に取り掛かりました。北海道のフクロウなのでペリットからは当然北海道産のネズミの骨が出てきます。北海道のハタネズミ亜科はエゾヤチネズミ、ミカドネズミ、ムクゲネズミの三種類のみなのでそのなかから考えました。これらのネズミの識別方法は上顎第三臼歯の凸凹の形状だそうで、図鑑と見比べながら比較した結果、一つ目の頭骨はエゾヤチネズミという結論に至りました。 エゾヤチネズミ上顎臼歯(画像上側が吻です) 残りのハタネズミ亜科の頭骨も調べたのですが、すべてエゾヤチネズミでした。(他の種類も出てくればもっと楽しかった!) エゾヤチネズミ頭骨 エゾヤチネズミ下顎 ネズミ亜科の頭骨2つはハタネズミ亜科の頭骨より明らかに大きいことからドブネズミ、ニホンクマネズミのどちらかではないかという話になりました。しかし、後頭部が欠損していて肝心な側頭稜が良く見えず、種類は特定できませんでした。 ドブネズミorニホンクマネズミ この調子だと下顎もエゾヤチネズミかドブorクマだろうなと思っていたら気になる下顎が見つかりました(写真は後で載せる予定です)。

高尾山新歓下見 4月

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こんにちは、部長です。 先日高尾山新歓の下見に行ってきましたので今日はその報告をします! 今回の参加者は三人。高尾山口駅に集合し、一号路を登り始めると、さっそくイボタガ(たぶん)の死骸を見つけました。鱗粉がとれてセミのようになっていますが、少しだけさざ波模様が見えます。数少ない私が知っている蛾のうちの一つです。 登山道脇のアリジゴクや獣の糞を観察しながら山を登ります。 ナナフシの仲間の幼虫 登山中にはキビタキ、コサメビタキといった夏鳥を見つけました。他にも姿は見えませんでしたが、オオルリやイカル、ヒガラ、センダイムシクイ、ヤブサメなど様々な野鳥のさえずりを聞くことができました。 キビタキ コサメビタキ 寄り道が多かったので、登頂する前に日が暮れフクロウが鳴き始めました。その後も登山を続けるとフクロウがとにかくたくさん鳴いていて、同時に3方向からフクロウの声が聞こえてくることもありました(姿も何度か見えました!)。また、メスの「ギャッ、ギャッ」という声も聞くことができ皆大満足でした。 フクロウの後ろ姿 フクロウが鳴き始めてから少し山道を登りましたが帰りの時間もあるので登頂をあきらめ引き返すことに。 ここからは下山しながら哺乳類を探します。 夜の高尾山では、立ち止まって耳を澄ますとネズミらしき小さな足音、中型哺乳類が落ち葉の上を走る足音、ムササビが葉を食べる音(むしる音?)が聞こえてきます。今回の下見でもたくさんの哺乳類の気配が感じられました。しかし、運が悪かったのか姿を現してくれることは少なかったです。それでも林内を飛ぶムササビらしき影とノネズミが巣穴に入る瞬間を見ることができました。本番ではアナグマやテンに期待したいところです。 下山後には水辺の生き物を探し、ヤマアカガエルの成体と卵塊が見つかり、少し観察をして駅へ向かいました。その途中で、ハクビシンが登場してくれ、不調だった中型哺乳類もなんとか確認できました。 今回の下見は予想以上に時間がかかってしまったので、新歓本番の開始時間を少し早めようと思いました。また、麓でカジカガエルが鳴いていたので時間があれば探して新入生に見せてあげたいなと思います。 ※夜の哺乳類観察のときは懐中電灯の明かりを直接当